「変えたかった」のは、そのたたずまい
毎日使うカバン、時計、文房具、財布。それらと同じように肌身離さず持ち歩いているスマートフォン。毎年のように高性能になり、毎年のように使いやすくなり、毎年のように新しい機能が加わるスマートフォン。しかし、そんな毎日使う道具だからこそ、これまでの製品だけでは満足できない自分たちがいました。
毎日使うようになった道具だからこそ、仕事でもプライベートでも、自らの生活にぴったり寄り添ってくれるデバイスが欲しい。いつも使っていて手に馴染むような手帳や財布のようなデバイスであって欲しい。NuAnsの原点に立ち返ってみると、そのオリジナルコンセプトの中に、現在のスマートフォンを変えるためのヒントがたくさんありました。
世界中で販売されているスマートフォンの多くは、世界でもっとも先進的な道具であることを目指しています。しかし、世界最先端の薄さ、軽さ、機能を追求することだけが、より良いスマートフォンを作るための、ただひとつの回答ではありません。
NuAns NEOはそんなわたしたちの気持ちを細部にまで織り込んだ、新しいデジタルライフスタイルの提案です。
「変えたかった」のは、ワークスタイル
スマートフォンを中心としたライフスタイルが加速してきた中で、わたしたちが特に注目したのはワークスタイルの変化です。仕事、勉強、創作。クリエイティブなシーンには、現在もパーソナルコンピューターは欠かせない存在です。これはスマートフォンが世の中に革命的な変化を起こした後も変わっていません。
一方で、スマートフォンとパーソナルコンピューター。コンピューターとインターネットでつながるふたつの世界は、極めて近い位置関係にありながらも、本当の意味で一体化された体験を提供できていませんでした。
そこでわたしたちが選んだのがWindows 10でした。Windows 10は、パーソナルコンピューター、タブレット、スマートフォンといったデバイスの垣根を越えて一体化された、はじめてのプラットフォームです。どのようなデバイスを使っていても、OneDriveやOffice Mobileを通じて簡単に情報へとたどり着き、編集し、共有することができます。
さらに、世界中の企業が採用するWindowsならではの高いセキュリティと管理性が、NEOをビジネスシーンで活用する企業に、大きな信頼と安心を提供します。
また、Windows 10に追加された新機能 “Continuum for Phone(コンティニュアム)”を使えば、パソコンのような操作感で文書を作成、編集するアプリケーションを使うこともできます。使い方は簡単です。ディスプレイ、キーボード、マウスを接続すれば、作業する画面の大きさや操作に使うデバイスに合わせて画面のレイアウトが変化します。その時、その場所、使用している道具に合わせて、もっとも適した作業環境を提供してくれます。
ワークスタイルの革命。それが、わたしたちが新しい答えを用意するための基本ソフトにWindows 10 Mobileを選んだ理由のひとつです。
手に馴染み、生活に寄り添う。
ゼロから考え直した新しいデザイン。
毎年、毎月、毎日のように進歩していく技術。新しい技術はわたしたちに、もっと高い性能、もっと多くの機能を、より薄いボディへと詰め込むことを可能にしてくれます。
しかし、薄くなり続けることは、本当に使いやすさや機能性を高めているでしょうか。この疑問に対してわたしたちが出したこたえは、適度な持ちやすいデザインを目指し、技術による進化を、利便性や機能性へとつなげることでした。
NuAns NEOは最新技術を採用することによる進化を、持ちやすさ、美しさ、そして機能性といった優れた工業デザインへと昇華させることにしました。あえて薄さを追求せず、薄型化を可能にする最新技術を“製品価値を高める”ことに注ぎ込んでいます。
これまでにない目標を達成するには、既存の設計を踏襲していたのでは到達できません。すでに存在するリファレンスデザインにほんの少しだけ手を加えるだけであれば、スマートフォンを作ることは難しくありません。ただ、それだけでは、わたしたちの新しい答えを導き出すことはできません。
そこでわたしたちは、NEOを完全に“ゼロ”から設計しました。
技術の進歩によって薄くなったメイン基板、新しい生産技術で向上した高いエネルギー密度のバッテリー。これらによって生まれた空間を、より長持ちするバッテリー、より便利でスマートな利用スタイルの提案をするために使うことで、“新しいスマートフォンの姿”を提案します。
“薄さ”をひとに優しいデザインへと活かしたい
わたしたちはスマートフォンが“薄くなりすぎた”ことで、手に馴染まなくなってきたと感じていました。どんなに薄くスタイリッシュに仕上げたとしても、道具としての使いやすさを失っては意味がありません。
また、スマートフォンメーカーが本体の薄型化に大きな努力を払っているにも関わらず、多くのユーザーは外観の個性やカード収納などの利便性を求めてカバーなどを装着するため、結果的にメーカーのうたう薄さからはかけ離れた厚みとなっていることも少なくありません。
「個性を出したい、もっと便利に使いたい。」使う人にとって、そんな心理はとても自然なものです。ならば、その要求を前提に、ゼロから本体を設計することはできないか。個性を主張でき、機能性も十分な構造を持ちながら、手になじむ自然な佇まいを実現できないか。そう考えた結果、個性を主張し機能性を満たすツートーンとフリップのカバーという2つの選択肢を用意しました。適度な厚みを持ち、手になじむラウンドシェイプボディというシンプルでありながらも新しい佇まいへと到達しました。
NEOは細かなところの美しさにもこだわりました。液晶スクリーン表面のガラスは、美しいカーブが本体背面から一体化して描かれるよう、端面を滑らかな曲面で削り出しています。
また、手に取ると、USB Type-Cコネクター、マイク、イヤフォン端子、スピーカーホール、ストラップホールなどが、注意深く本体の中心線に沿って配置されていることに気付くでしょう。
ひとに優しく、使いやすく、美しくも機能的なデザイン。わたしたちは、テクノロジーの進化を数値的な価値だけでなく、ここちよさへと活かしました。
もっと多くのバッテリー駆動時間を
これまでのスマートフォンは技術進歩による端末の省電力化を、薄型ボディを実現するために使ってきました。しかし、わたしたちは“もっと長く”とバッテリー駆動時間を求めるユーザーに、さらなる余裕を与えることにしました。
バッテリー駆動時間をより長くするには省電力化も大切ですが、バッテリー自身の大きさにも依存しています。ところが薄型化を優先すると、バッテリーの大きさも必然的に小さくなります。
しかし、いくら薄く・軽く仕上げたとしても、毎日のようにモバイルバッテリーを持ち歩かなければならないようでは使いやすいとは言えません。
そこでNEOには3,350mAhもの大容量のバッテリーを搭載し、ハードウェアの省電力設計にも力を入れました。バッテリー効率の良いWindows 10 Mobileが、余裕をもって2日間使うことができる動作時間を提供します。
最新技術を日常的な使いやすさに活かしたい
SuicaやPASMO、nanacoなどの非接触ICカードを用いた支払いシステムは、日本のFeliCaシステムに限らず世界中に拡がり、今や都市機能の一部として社会インフラの中に溶け込んでいます。このような社会インフラに対応するため、日本市場向けに開発された携帯端末には“おサイフケータイ”機能が内蔵されています。
わたしたちが注目したのは、交通系ICカードの使い方です。駅の改札を通過する大多数の人たちが、携帯電話やスマートフォンではなく、プリペイドカードあるいは定期券という形で交通系ICカードを使っているのです。ならば、カードをスマートに本体内へと収納し、簡単に取り外しができることでプリペイドカードのチャージを行なえるようデザインすることが本当の利便性を提供することになると考えました。NFCアンテナをカードポジションに配置するように設計したことで交通系カードの利用履歴を読み取ることもできます。
スペックとしての薄さにこだわるのではなく、道具としてユーザーの行動、生活に寄り添うデザインに最新技術を使いました。